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February 21, 2006

老人の所得税激増

 平成18年3月の確定申告並びに平成18年度税法改正についてセミナーを行った。
 そこで説明したのが、お年寄りの人(65歳以上の方)でアパート所得や年金が所得のメインの方は今年大きく負担が増えるということだ。

 実例でしゃべってみよう。
 
 昨年度の不動産所得が490万円、年金が270万円であった方、そして色々な控除が140万円、課税所得合計9480万円について所得税はいくらかかったか。
 実は、かかる所得税は63万円、これに2割の特別減税がついて504,000円というのがその方が昨年度払われた所得税であった。
 50万円というと個人の年寄りの人からすれば、かなり大きい。なにせ年金が270万円、不動産所得が実質530万円合計で800万円くらいの実質的な所得でこれにかかってくる実質的な税金が所得税で50万円、住民税が35万円くらい、合計で90万円近い税金である。かなり重い税金と言えよう。この他、国民健康保険や介護保険で約50万円程度別に負担がかかってくる。

 このような方について、平成17年度分の確定申告書を3月15日までに出すのであるが、どのくらい税金が増えるのであろうかという話である。

 実は、税負担としては所得税が約17万円、住民税が12万円増えるというのが試算した結果であった。約30万円近く増える。これは非常に大きな負担増である。

 では、この増税はいつ決まったのかと言えば、平成16年度や平成17年度の税法改正で決まっていました。従って最近の新聞記事には載っていない。実際には確定申告へ行ってみてびっくりという話になるだろう。

 どういうところが変わっているのか。
 アパート所得については、複式簿記できちんと帳簿をつけていない限り、今まで受けられた控除(本当に税金にかけないという数字)が45万円から10万円に下がる。つまり、ほとんどの人は帳簿をつけていないであろうから、これだけでも自動的に実体は変わらなくても課税所得は35万円増える。
 では、この帳簿は簡単につけられるのか。実は、いわゆる複式簿記による処理なので、パソコンを持っていれば簡単にできるだろうが、アパート管理者はお年寄りの人が多いので実質的には難しいと言える。更に、そのようなことを外注するということは極めて困難であろう。
 私どもの事務所でも以前のおつきあいのあるところには10万円の手数料で帳簿をつける仕事を引き受けたが、本当のことを言うと採算が合わない。しかし、永年のお付き合いからとりあえず提示だけさせていただいた。
 
 更に、公的年金270万円を受けているが、実は年金の270万円のうち税金のかかる対象は昨年は130万円だったが、今年は150万円に上がっている。これも年金そのものにかかるのではなく、公的な年金のうち税金をとる対象となる金額は年金金額のうちからひとつの計算式による金額(公的年金控除)を引いたものというやり方である。その計算式がちょっと変わったということである。

 更に、お年寄りの方について言うと65歳以上の方については50万円は税金の対象にしない(これを老齢者控除と言います)と言っていたが、この50万円も廃止になった。

 従って、不動産関係の計算式の控除の関係で35万円、年金の関係で20万円、老齢者控除で50万円、合計100万円ほど所得が増える。これに伴って税金が増える。

 しかも、地方税については平成17年1月から12月までの所得をもとに平成18年度の地方税が決まる。ご承知のように平成17年の地方税は定率減税が半分となっているのでそれに伴う税金の負担増もあるわけである。そして、約30万円ほど増えたというわけだ。

 それだけではとどまりまらず、国民健康保険料は地方税の金額によって決まるので、地方税が増えると国民健康保険料が最高限度63万円までひき上がるということを意味する。そして、更に地方税が高い方は老人医療の窓口負担金が1割から2割に上がる。これは地方税の税額に連動するということである。

 このようなことは、実は2年位前からルールが変わっているのでわかっていたことだが、わかったからといってどうにかできることでもないので税負担が増えますよというアナウンスだったが、実際にこのような事態がくるとかなりお年寄りにとってはショックだろう。もともと所得がほとんどない方にとっては何も関係ないが。お年寄りでも所得のある方、年金をもらい、不動産にアパートや貸店舗を構えている方にとってはかなり税負担が増えるという話である。

 日本の国は債務超過が激しい。平成18年度予算を見ると80兆円のうち、約30兆円は国債の発行でまかなうという形になっているので、とりあえずそのうちの10兆円弱についてはなんとか税収を増やしていこうというのが国の方針である。

 こうやって見ていると税制のうえではますます増税策が増えてくる。しかも消費税の引き上げという正面切っての増税は国民の反発が強いのではっきり言えば選挙においては惨敗する可能性が高いのでなかなかできない。そうすると姑息な手段、大きく取り上げられないやり方、一定の方しか税金が増えないやり方というのが色々と今後とも行われていくものであろうと思う。

 その一つとして導入されたのが、実質一人法人課税というやり方である。
これについては、次回説明したいと思います。

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February 20, 2006

パラサイトミドルの衝撃

 最近読んだ本の中に『パラサイトミドルの衝撃』というものがあります。今、日本の人口で一番年をとった人から生まれたばかりの人を順番に並べていくと、ちょうど真ん中にくるのは何歳くらいの人か。43歳だそうです。これがあと20年経てば50歳にまで増える。ということは、世の中の中心になって会社を動かしている人たちは大学を卒業して23歳で働き始めたとしてもあと20年間は働かなければならない。つまり、完全な中間層になっているわけです。この人たちの能力開発が大切だという感じの本でした。

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February 17, 2006

M字型社会とビジネス

 中流階級の中が2つに別れていく、即ち中流の上が増え、中流の中が減り、中流の下(下層社会と呼んでいるそうですが)が増えるという形に変わっていくことをM字型減少と言うそうですが、私はこれに大変強い関心を抱いています。

 なぜなら、アメリカでこの減少は日本より約30年前に起きたことだからです。
 『コンピューター社会 ダウンサイジング オブ アメリカ』という本を読んだときには非常に将来に対する懸念を感じました。即ち、中間管理職というところがコンピューターによる管理、例えばEメールなどにより直接トップが見える範囲が広がる、結果として中間管理職が減る、中の上と中の下が増えていくという社会ができ、当然中の上に行く人が中の下に行く人より数が多いという現実のレポートでした。
 アメリカであることは日本へも来るので非常に注目して見ていました。

 アメリカで起きたことがどこで一番現れたかというと、消費行動です。
 即ち、世界一の小売業者はウォルマートと呼ばれています。ここのキャッチフレーズは「Everyday Low Price(毎日低価格)」というものです。ウォルマートの傘下に日本の西友ストアが入りました。
 何故ウォルマートはこのように大成長をしたのか。はっきり言えばアメリカの中流階級がM字型になり、それも下層階級(中の下)の人たちが増えたため、中の下の人たち向けの安い商品の販売によって「Everyday Low Price」のウォルマートが勝ち抜いたという形があるからです。

 恐らく、日本でもこのような形になるのではないのでしょうか。いかに富裕層と言っても人の数で言えば少ない。人数が多いのは中の下の人たちですから。
 中の上に合っているビジネスと言えば今後とも苦戦するでしょう。中の中を狙っていたダイエーなどのGMSはなかなかうまくいかないでしょう。どちらかと言えば、中の下を狙っているコンビニや生鮮食料品の会社などは伸びていくのではないかと思っています。
 
 中流階級層の上と中流階級層の下とに分かれていくのであれば、中流階級の中間層を狙っているビジネスというのは割りが悪い。

 従って、中流階級の下の層を狙うパターンのビジネスを展開するのか、もしくは中流階級の上の層を狙ったビジネスを展開するのか割り切った方がいいのではないか。

 つまり、私どものお客様と話をするときにどちらを狙っているパターンなのかをはっきり見ていった方がいいのではないかということが今思っている問題意識です。
 

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February 16, 2006

給与引き上げ

ロウアーミドルという言葉

 大前研一さんの本(ロウワーミドルの衝撃)を読んでいますと、M字型いわゆる中流階級の上と中流階級の下(はやりの言葉で言えば下層階級 大前さんの言葉で言えばロウワーミドル)に分かれていることについて、最近次のような記述があります。

 最近、景気がよくなってきたと言われている。従って、給与が上がるという期待が出てきている。これには景気が悪いから給与が上がらない、景気がよくなってきたから給与が上がるという考え方が背景にある。

 しかし、考えてみればわかるが、今は成果主義といって会社に貢献してくれる人にたくさんの給与を払いたいというふうに企業は行動している。

 従って、仮に景気がよくなり、給与の原資が増えたとしても、その部分は基本的には業績に貢献している中流階級の上の層に配分されるのではないか。結果的に中流階級の下には給与が上がらないのではないかという趣旨の記述があります。

 これはアメリカの30年間続いた現象です。つまり、中流階級の下の人たちの平均的所得は基本的に下がり続けたという記述です。

 日本企業は甘いという性格がありますので、いわゆる大企業はどうなるかわかりませんが、新聞報道等で見ていますと大企業と言えども一律全員引き上げるのではなく、トヨタの場合のように従業員に払う総額は増加を要求していますが、従業員個々人にどういうふうに配分されるかまでは口を挟まないというような動きが出ているようです。
 これも成果主義が広がっているせいでしょうか。日本の給与もM字型になっていくのでしょうか。

給与水準は下がっている

 給与水準について私が言いたいのは一つです。

 中小企業にとって、安易に給与を上げられる状況ではない。TKCという会計事務所のグループがありますが、そこでとっている中小企業の給与データを見ますと、相変わらず下がり続けています。

北九州の男子 13010人の統計
             
           男子 平均年収          平成16年       平成15年
                     25歳       2905千円      2905千円
                     28歳       3264千円      3264千円
                     31歳       3667千円      3667千円
                     34歳       4120千円      3887千円
                     37歳       4120千円      4120千円
                     40歳       4367千円      4367千円
                     43歳       4367千円      4629千円
                     46歳       4367千円      4629千円
                     49歳       4367千円      4629千円
                     52歳       4629千円      4629千円
                     55歳       4629千円      4907千円

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February 15, 2006

富裕層

富裕層について

今年のお正月以来、富裕層という言葉をよく目にしてきました。「景気が回復して百貨店などで高額な商品が売れ始めている。それは富裕層がお金を使い始めたからだ・・・」ということです。
では、富裕層とは何か?お金持ちという意味でしょうけれども、その定義はどうなっているかと色々なところで話を聞くとこういうことがわかってきました。

 富裕層というのは、金融資産(土地資産ではありません)を1億円以上持っている世帯のことを富裕層というらしい。

本当の富裕層は、金融資産が5億円以上であり、プライベートなサービスが受けられる世帯だそうです。そして、日本には、この金融資産5億円以上持っている世帯が約6万世帯ある。
 次に金融資産が1億円~5億円の世帯が約72万世帯ある。この層を大衆富裕層 マス富裕層という。
 合計78万世帯が富裕層ということになります。

 一方、富裕層に次ぐ者として金融資産が5000万円~1億円くらい持っている富裕層予備軍というものがあり、これが約246万世帯あるという統計でした。

 その下に中流階級がある。
 最近、上流社会、下流社会という言葉が流行っています。中流階級の中でも下の方を、中の下を下流社会と呼ぶそうです。

 そして、本当の意味での下層社会があります。『週刊ダイヤモンド』には次のような数字が 書いてありました。自己破産24万人、生活保護104万世帯、ホームレス2万5000人、ニート64万人という数字です。

 いわゆるサラリーマン、例えば夫婦とも公務員で働いているような世帯は退職金等をもらうと最終的には1億円程度の金融資産を築くことができるというような話もあります。

 今思うのは、富裕層、富裕層と言っているのは単にお金を使わせたいと思っている会社側がお金をいかに効率よく集めるか、あるいはターゲットを絞った方がマーケティングがしやすいのでそのために言っているというふうな感じがします。

 派手にお金を使うこと、イコール富裕層というわけではありません。

 また、ある記事を読んでいたらこういうことが書いてありました。
 「今、日本の景気がよくなってきたと言われている。富裕層という言葉も広がっている。しかし、3段階あることを忘れてはいけない。
 普通でいうお金持ち、所得が毎年数千万円単位である方、例えば開業医の先生、弁護士の先生、あるいは儲かっている中小企業の社長、更には外資系証券会社の会社員などがこれらにあたるのでしょう。これらについては豊かではあるでしょう。しかし、数千万円単位である。

 この上の層がある。それは何か。株で儲けた方々である。株を上場した方々はもちろんですが、それ以外にもいわゆるデイトレーダーで成功した方々である(デイトレーダーで成功するのは相当難しいようです)。この方々の所得は、少なくとも数億円から数十億円単位である。この人々がお金を使い始めてきた、お金を使うことへのためらいがなくなってきた(自家用ジェットを使ったというヒューザーの社長やホリエモンの話など)。
 
 今景気がよくなってきたのは、一般サラリーマン層に相当のリストラを行い、経営改善に努めてきた大手企業が史上最高益を出すようになってきた。従って株価も上がり株を持っている世帯 富裕層の世帯がバブルの時と同じようにお金を使い始めた。

 次にこれから大手企業のサラリーマンのベースアップ、いわゆる賃上げをやろうという話が出てきている。

 この流れが中小企業の利益も増えて、結果的に中小企業のサラリーマンの給与が上がるまで相当長くかかるであろうし、また今の景気がよくなってきているという流れが日本史上の最高利益拡大、景気が良い期間であることを忘れてはならない。

 中小企業のサラリーマンにまで現在の好景気感が実感されてくるようになるまでは、まだ相当期間がかかるのではないのであろうか。あるいは、中小企業のサラリーマンがそれを実感する前に既に景気が悪化してしまうのではないか。」というような記事でした。

 まあ、中小企業と言っても私の見ている範囲で言えば、景気のいい会社もあれば、景気の悪い会社もある。景気の悪い会社の数が減って、景気のいい会社の数が増えてきはじめたのかなという気はしますが、まだまだ厳しい会社も多いです。
 そういう中でこういう富裕層という言葉が目に付くのは複雑な気がいたします。

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February 10, 2006

ベンツ

 富裕層は、東京に集中している

 富裕層の話と言えば、おもしろい統計を見ることができました。(週刊 SPA)
 ベンツといえばお金持ちの車というイメージがあります。
 日本で一番売れている車 すなわち大衆車はカローラですよね。しかし、東京ではカローラよりもベンツが売れている車の地区が多いという話です。

 日本全国では、ベンツは60万台、カローラは283万台あるそうです(平成17年3月末)。
 ところが、東京都23区内で言えば、ベンツが9万4000台、カローラは8万1000台である。つまり、カローラよりもベンツの方が目に付くということです。

  更に、高級地区と言われている港区で言えば、カローラ1871台、ベンツ8406台、実にカローラ1台につきベンツが4.5台見かけるとのこと。

 なかなか面白い数字とは思いませんか。

 そういえばバブル時代は BMWは 六本木のカローラという言葉がありました。若者がディスコ(古い懐かしい言葉ですね)今のクラブでナンパ(今はなんというのか知りませんが)のためには BMWでなければならないということで実際六本木にはBMWだらけでした。

 本当にバブルの再燃でしょうか。

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February 06, 2006

節税の定義

節税とは税法の許されている範囲内で税金費用の軽減を図ることです。
事実関係に基づいて税金は決まります。そこで仮装(相手を欺くため偽り装うこと)や隠蔽(事実が目につかないように隠すこと)をすれば その結果表面的に見える真実と異なる事実関係二より税金を減らせば脱税になります。定義が難しくなりましたが。。。。。


節税とは、はっきり言えば税金を減らすことです。


節税は、最も効率の高いビジネスだという言葉を聞いたことがあります。売上を上げ、経費を引き下げ、利益を出すというのが経営者の基本的な仕事ですが、その一生懸命がんばって出した利益から一定の率(40%程度)で黙って持っていくのが税金です。

色々と工夫して税金を減らす節税というのが最も効率の高いビジネスだ、労力の割に効率の高いビジネスだということがよくわかります。

ところが、見ていると小さな会社の社長方は言われるままに税金を払っているケースが多いのではないのでしょうか。社長はもっと勉強すべきだとある方がおっしゃっていました。
私ももっともだと思います。

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February 03, 2006

『すごい会議/大橋禅太郎著』を読む

タイトルがおもしろそうで 薄い本でしたので購入してみました。

印象に残った言葉

会議で発表するときは紙に書いてから発表する。
理由は、会議で主導権をとる人の影響を受けにくいとのことである。


具体的な手順としては、①会議の目的を確認する、②今達成できていることをまず考える
問題点をリストアップするのだが、問題を単に問題としてリストアップしない。

例)現行の製品が売れていない問題を「どのようにすれば~できるか」という疑問文に置き換える。
「どのようにすれば製品が売れるか?」
そして、更に日本一という言葉を入れる。
「どのようにすれば日本一売れる製品になるのか?」

そして最後に、言えなかった、口に出せなかった問題点をリストアップしていくというようなやり方である。

なお、この本の著者、大橋禅太郎氏は会議についてのコーチングをやっているようです。

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February 01, 2006

税務訴訟で国が負け続けている

 最近、税務訴訟で国が負けたという記事が新聞で次々に大きく報道されています。

 これは何故なのかというと、税務調査に対する考え方、税務調査、それに伴って行われる税金を払う側(会社)が納得した場合には修正申告としますが、納得しない場合に税務署があなたの追加の税金はいくらですと言って一方的に徴収すること(更正処分)が増えているため、当然税金を払う側は納得していないのですから裁判になりやすいことの表れです。

 何故こうなったかという話ですが、税務調査が荒っぽくなったということです。
 ある方が、税務調査の現場は昔の関東軍だと言っていました。要は、関東軍というのは日本政府の言うことを聞かずに満州事変を起こしたり、勝手なことを繰り返したわけですよね。

 現在、税務調査においても上司の言うことを聞かないというか、税務署出身のOBの先生の言うことを聞かないということがまかり通っているそうです。税務調査の現場に出る方はバリバリの現役の方々ですが、そういう方が上司やOBの先生の言うことを聞かない。単純に言えば、OBの先生方というのは良い時代に退職されているので、辞めた後の就職口の斡旋を、いい悪いは別として税務当局がやってくれていた。
 税務当局と会社の間に立ってある程度の落としどころを探してくれていたのがOBの先生方だったのですが、現在の不況と言いますか、会社の数が減っていっている中で、現職の方々が辞めたとしても退任後引き受け手の会社がない、或いはそういう会社を斡旋できない、従って、OBの先生方の言うことを聞かないという形になっているそうです。

 また、一説によれば綱紀粛正のためOBの先生方と現職の方がお酒を飲むという機会自体もはばかられる時代であるためコミュニケーションが悪いという世界もあるそうです。

 それが一般的な税務の世界、もうひとつ大きい世界は、名古屋国税局の独走が目立っている。
 大きな案件では負けてもいいという状況になっているそうで、以前は裁判で負けるということは税務当局にとって大変恥になることでした。
 税務訴訟になっても確実に勝てる案件しか更正処分をしなかったのに対して、現在では気にしないで更正処分を繰り返す。つまり、税務当局も訴訟社会になっているという話です。

 この結果、税務調査で活躍するのは弁護士の方々というふうに時代が変わっていっている。
 或いは、税務調査に立ち会う税理士の先生ではなく、税務訴訟になったあと弁護士の先生を手伝う税理士の先生が大変儲かるという世界に変わっていっているそうです。
 税理士事務所の在り方をめぐる話として参考になります。
 ちなみに、弁護士先生の世界では、訴訟が起こらないように色々と気を配る、契約書等に気を配る弁護士先生は儲からず、訴訟が起きた後にその応援をする弁護士先生が儲かるとのことです。会計事務所の経営にとって示唆に富んだ発言です。

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