April 12, 2006

会計ができる人の減少

会計ができる人の減少

 アメリカの大学生のうち会計を専攻する割合は15年前は4%だったのが、5年前には2%に落ちたとのことです。 若い世代には会計は人気がないということです。
 何故か。実は、大学あるいはその上のMBAのコースに進もうという方々は能力が高い。即ち、アメリカで一番高給がもらえるサラリーマンは弁護士や金融業界に進む方々です。そう言えば、日本の100億円サラリーマンも証券業界の方でしたし、外資系証券会社の給料は平均数千万円単位、それも上の方の数千万円単位というふうに聞いたことがあります。ただし 本国の証券会社の社員のの給与は年収数億円クラスはざらとのこと。数十億円という事例も多い。
 会計士は基本的には日本でもアメリカでも監査法人という形で業務を行う。そうすると監査法人での報酬というものは少なく、金融業界の報酬に比べると格段と安いという話でした。
 そうはいっても日本の監査法人の代表社員クラスになれば少なくとも年収数千万円クラスとのこと。
 税務統計では個人の会計事務所の所得は平均1500万ぐらいとのことでサラリーマンの管理職クラスです。

 私が昔いた外資系の会計事務所で言えば、米国人の名簿を見ても有名大学の人はいなくて大体アメリカの中西部の州立大学を卒業した素朴なおっさんという方々が一番偉い人たちでした。
 アメリカの流れは必ず日本に来ると言われています。私は、会計士という仕事が直接お客様のお顔を見て仕事ができ、直接色々なアドバイスができる仕事なので天職だと思っていますが、報酬という面からいくと若い人々を惹きつけられない職業になってしまうのでしょうか。

 2000年頃米国の公認会計士協会は「ビジョン21」という対策を打ち出しました。即ち、できるだけ経営も含めたアドバイスができるような存在に我が身を変えていこうというのです。従って、コンサルティングの仕事に大変力を入れました。また、日本の大手監査法人も同様でした。
 
 ところが、このコンサルティングは大成功したのですが、あまりに行き過ぎ、例えばアンダーセンは、例の有名なエンロン事件では26億円の監査報酬と同時に26億円のコンサルティング報酬をもらっていたということが明らかになり、監査法人はコンサルティングを原則やってはいけないというように変わってしまいました。日本でも同様に変わりました。この結果、日本でどういうことが起きているかというと、コンサルティングをやりたい人は独立して、私どものような少人数の事務所を作り、コンサルティングをやり始めています。
 そちらの方が単なる税務・会計の仕事や監査法人に勤務しているよりも報酬が高いという現状だそうです。なかなかうまくいかないものですね。ただ、会計をベースにしたコンサルティングは非常に需要が強いので益々伸びていくのではないかと思っています。
 
 専門職の世界はまだましでしょうが、経理・会計という分野がわかるサラリーマンは減っていくのでしょう。その結果、会計事務所の負担が増えるということでしょう。

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July 06, 2005

会計事務所は企業の経営者から何を求められているのか。

会計事務所は企業の経営者から何を求められているのか。

 会計事務所は企業の経営者から何を求められているのか。企業が小さいとき、それは税務署に提出するための資料、消費税や法人税の申告書だったのでしょう。
 そして、企業が大きくなりはじめると二番目に求められるのは計数、会社の損益計算書や貸借対照表ができるという会計制度の仕組み作りでしょう。そして経理制度が間違いなく動くための内部統制制度の導入でしょう。
 三番目にある程度会社が儲かってきたら、節税対策というものが求められてくるようになります。
 その次の段階はいったい何であろうか。
 不正を防止するということがあります。私の経験からいくと、だいたい従業員が30~100人位の間で必ずお金の使い込みという問題が出てきます。なぜなら最初の段階は、できるだけコストを安く、経済的に能率良く経理をやっていきたい。つまり最小限の人手で仕事をさせたい。これは経営者の当たり前の望みです。すると、そこで色々な管理要素(要は人手)を入れずにやっていくという希望があります。そうするとお金を扱う人というのは、現金という常に誘惑されやすいものにさらされているわけです。誰かが再度チェックすると思えば我慢できることでも、誰もチェックされないということがわかると人によっては我慢できずに誰にもわからないと思ってついつい手をつけてしまうということがあります。例えば、売掛金の入金があったのになかったようにして自分のポケットに入れてしまう、雑収入が入ってきたのに入ってこなかったようにしておく等が基本的なパターンです。このようなことは、はっきりい言って非常に見つけにくい。日々の行為を会社内で毎日相互にチェックしていない限り、非常に見つけにくいものです。つまり社長の目が行き届かなくなる頃から不正の芽が出てくるというのが実情でしょう。そういう意味で、少なくとも重要な事項、現金・預金の残高、銀行預金通帳にあると帳簿に書いてある残高が実際銀行預金にあるのかというチェック等、基本的なところは少なくとも会計事務所が決算を組む中でチェックができるというのが四番目の役割ではないでしょうか。
 では、ある程度自前で経理もできるようになり、問題なく順調に経営が進んでいる会社についてどういうようなニーズがあるのか、会計事務所は提供しなければならないのかということについて言うと、それは資金繰りであったり、財務の相談ができる会計事務所だろうと思います。
 単に狭い範囲での資金繰りでなく、貸借対照表を見て長期的に会社はこういう方向に行くべきである、そのためには何をしていかなければならないのかという話です。あるいは、設備投資をすると財務状況は悪くなります。果たして本当に設備投資をしていいのかどうか、というよりも設備投資をすることによって社長の目に見えているプラスの事項以外にマイナスの事項、リスクがどの程度あるのかということを注意喚起するのが会計事務所の役割ではないでしょうか。それには、経営計画、資金繰り、財務に関する経営相談、節税対策に精通している会計事務所が求められているということになります。同業他社に比べてお客様の会社の何が強いのか、なぜ儲かっているのかという見方も必要になってきます。儲かっているとはよく言いますが、なぜ儲かっているのか(一般論)ということについて言えるというのは相当な会計事務所でないとできないというのが私の意見です。私の事務所は、そういうことができる事務所であろうと内心自負しております。
 そして、最後に求められるのは、経営全般を相談できる会計事務所でしょうが、経営全般というと単に守りの世界の話だけでなく、攻めの世界(営業やマーケティング)の発想が重要になってきますから、そのあたり本当の意味では今のところできないと思います。私の事務所はたかだか二十数名の事務所です。300人、500人の社員を使っている会社の社長、というかそれだけの規模にまで会社を育てることができた社長(会社を育てるというのは営業やマーケティングに強いことを意味しています)に太刀打ちできるわけがないですよね。守りの世界、つまり、社長がやろうという世界でのリスクを考えることが私ぐらいの会計事務所ができることだろうと思っています。

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June 20, 2005

上場会社の財務諸表と会計士

 上場会社の財務諸表は、投資意思決定のため、要するに貸借対照表、損益計算書、その他の付属資料の作り方など非常に細かく決められていますし、またインターネットにも公開されています(EDINET)。
 この財務所要の正確性を検証するのが公認会計士(監査法人)の仕事です。それは監査報告書という形で公表されています。
 カネボウ問題のようなことは、不幸にして起きました。時間がなくて十分な監査ができていないというのが会計士協会の公式見解のようですが、時間がないけれども問題なく処理している監査法人が大部分なのに次々と問題を起こしている監査法人についてどれくらい作業時間に違いがあるのか知りたいものですが。実は監査報酬は公表されていますし 監査時間は国に報告されています。誰か調べてくれないかな。。。。
 会計士は証券市場 資本主義を守る灯台守のような社会的に意義がある仕事をするものだと大学の頃習った気がするがな。。。。 ただ 監査の仕事で直接メリットを受けるのが 株主や債権者、 会計士にお金を払うのが会社なので監査を行う会計士の所得は高くないとのことでした。

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June 17, 2005

米国で会計事務所がつぶれた理由

『会計破綻 ~会計プロフェッションの背信/マイク・ブルースター』を読む

 この本は、米国の大手会計事務所アーサーアンダーセンがエンロン事件で崩壊に至るまでの流れを主に米国における公認会計士の発展の歴史から振り返って述べたものです。
 イギリスから渡ってきた公認会計士という仕事がアメリカの証券市場の発展とともに証券取引所に上場している会社について監査というものが要求されてくる。国が押しつけたのではなく、民間の必要性として上場会社の監査という仕事が発生し始め、それが1993年証券取引法とSECの設立に伴い、だんだんに強化されてきたという流れがあり、1960年代には監査の黄金時代を迎える。ほとんどの大手会計事務所では収入の8割以上が監査収入でしめられていた。当時は他の会計事務所が監査している上場会社の仕事(監査)を他の会計事務所が横取りしようなどとは予想もされない時代であった。
 それが1970年代からの独占禁止法による公認会計士事務所の競争強化をさせようという国の政策により、監査料金のダビング並びにそれまでなかった他の会計事務所がお客様としている会社に対しての売り込み、要するにお客様の取り合いの促進を国がしたために監査料金の大幅な引き下げが始まる。この結果、大手会計事務所は監査報酬で事務所を伸ばすというよりも監査をすることによって、監査をするということは企業の隅々までお金の流れを確認していくことですので、その結果知り得た情報を基にコンサルティングの世界へ容易に進出していくという流れを紹介しています。監査はコンサルティングの仕事を受注するための道具となりはててしまった。儲からない監査の仕事をとるが 同時に高額の儲かるコンサルティングの料金で収益を上げていくという方針にすべての大開系事務所はも猛突進する。そして、コンサルティングへ行き過ぎたために、結局のところ監査がおざなりになり、エンロン事件を引き起こした。エンロン事件以前にも次から次へと大きな事件、監査の失敗が相次いでいたこともあり、エンロン事件が極めて大きな事件であったこともありアーサーアンダーセンの崩壊となったことを伝えています。

 (当時私が聞いた話では、アンダーセンは当初エンロンの事件を重要視しておらず それがエンロンからもらっていたアンダーセンの報酬、54億円の報酬のうち27億円が監査報酬 残りがコンサルティングの報酬であったことや起訴されそうな状況で書類を処分し始めたこと、会計事務所を目の敵にしていたやる気満々の検事などもあって 一度に逆境に追い込まれたとのことでした。)

 結論を言えば、結局国の競争強化政策がその他のコンサルティングということに監査人達を向かわせ、その結果本来の会計士の成立基盤であった監査そのものの品質を低下させたという問題が書かれています。


 話はそこで終わっているのですが、私が聞いたところでは、今、監査に対する米国内での規制の強化、それとアーサーアンダーセンという5大会計事務所の1つがなくなり、4大会計事務所となったことを受け、今米国では大手会計事務所は大変な好況、売上が前年比数十%増加ということになっているとのことです。約20年前には10年間ほど米国の会計事務所の日本法人にいた私としては米国でどういうことが起こっているかなかなかわからなかったのですが、なかなか興味深い話だと思い、460ページもある本を延々と読んでしまいました。

 日本の大手上場会社の監査の問題を見てみると、米国の会計事務所の系列下に日本の大手事務所は入っています。日本企業が世界規模でビジネスを展開していますから結局海外の子会社等の監査を行う都合上、必然的に米国4大事務所の系列下に入らざるを得ないということを物語っています。
 そして、残念なのは日本国内の監査については監査の隆盛(監査報酬という意味での隆盛)に行く以前に、いきなりコンサルティングという時代の波がやってきたということ、そしてそのコンサルティングについて規制がかけられ始めたために今会計士試験に合格はしたが就職先が不足しているという大きな就職問題が生じている事実と絡み合わせてみると色々思うことがあります。

 それと公認会計士の本来の仕事、監査と言う仕事は株主のために利益を測定する、正確に言えば株主や債権者のための財務諸表の正確性を検証していくという仕事であり、決してそこで作る決算書は経営者が会社を経営していくためのものではない、経営者が会社を経営するために役立つ業務として会計事務所に求めたのは、コンサルティングの仕事であるということを改めて再確認させてもらいました。


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June 16, 2005

BLOGは米国公認会計士協会もおすすめ

『Journal of Accountancy』という雑誌があります。これは米国の公認会計士協会の機関誌です。その6月号にブログについての記事が載っていました。
米国の公認会計士の機関誌は米国の公認会計士の仕事に直接対応する記事が載っています。いわゆる大会計事務所のように上場会社を監査する会計士に役立つような記事、私のように上場会社の監査に関係せずにコンサルティングや中小企業の税務をやっている会計事務所に対する記事、更には会計士の資格は持っているが上場会社の株式の売買をするブローカーとしての仕事をしている方に対する記事等、会計士の色々な役割について記事が載っていることが特徴です。
 日本の場合は、もっぱら上場会社の監査に関する記事ばかりですので、そういう意味では米国の公認会計士の機関誌『Journal of Accountancy』にはおもしろい記事が載っています。
 おもしろいのは、マーケティング、要するにお客様の開拓に関する記事が頻繁に掲載されていることです。そのなかでブログについてこのような記事が載っていました。
 
 「フレキシブルで費用がかからないブログは、すばらしいビジネスツールである。ブログをぜひ活用すべきである」

  記事より引用
 簡単に要約するとブログは多くのビジネスの可能性を持つ共有ツールです。安い経費でブログはマーケティングのための非常にいい道具になっています。
ブログとはほとんど映像が出てこない文章ばかりでなっているホームページです。使い方が簡単です。
 事務所のことを広報することを助けるだけでなく、ニッチな専門分野について情報を一般に知らせることができます。
 今までのところほとんど会計についてのブログは数が非常に少ない(米国でも会計事務所がやっているブログは非常に少ないようですね)。そして、たいていの公認会計士のブログは税金の話題についてのみ述べています。不動産投資についてのブログや企業評価についてブログ等ニッチな分野のブログはあまりないようです。
 ブログは、頻繁に更新するというのが黄金律です。この他米国の実際の会計のブログの紹介等色々とおもしろいことが書かれていました。更に、色々なセクションにリンクするページもおもしろいようです。
 そして、弁護士が広範囲にブログを活用しているのに対し、会計事務所はまだまだ活用していないようですね。
 
 ひとつ目新しかったのは、会計事務所は従業員にもっと効率的に働くよう活用するためにブログを使用することができるとしているところです。個人的な記憶を組織的な記憶に切り替えるためにブログは新人を教育するために活用するひとつのナリッジマネジメントのツールとしての価値があるというふうな書き方になっていました。
 訴訟に関するブログ、不動産に関するブログ、会計に関するブログ等紹介されおもしろい記事が載っていました。


 会計事務所のブログについては日本もアメリカも同じような程度だなと思います。ただ、日本では税金そのものについてのブログ、税金について解説するようなブログが少ないのかなと思います。


 一つ米国会計士協会のホ-ムページ(AICPA)を見ると過去のすべての journal of
accountancy のすべての記事が見ることができます。
 このあたりは米国の太っ腹なところが感じじられます。

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December 28, 2004

BLOG開始のご挨拶

公認会計士です。会計事務所を経営しています。そうは言っても私のお客様は上場会社の大企業ではなく、いわゆる中小企業、従業員数100名~20名くらいの会社が大部分です。それと病院や医療関係、クリニック等の方々です。、そういう方々に日頃私が話している内容を紹介していこうと思います。
いろいろ学んだりしたことは 事務所ニュースをお客様などに月に一度送って伝えているのですが、どうしてもかける文章の量に限界があります。また ホームページに載せたいと思っているのですが、IT難民の悲しさ、なかなかホームページを更新できません。
 BLOGというワープロに毛が生えたくらいで、しろうとにもインターネットが扱えるものができたと聞き、50の手習いながら色々試してみたいと思い始めました。

そして、まずは事務所ニュースなどでお客様に伝えたり 話したりしていること、最近 感じていることから始めていきます。理由は簡単です。他の人にとっても、私が話している内容は役立つであろうと思うし、逆に人の意見も聞いてみたいと思うからです。

そのうち 以前はこんなことを考えていたのだなと私が思い出せるデータベースになればと思います。

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