March 27, 2006

3月決算の決算書のフォーム

会社法が5月に施行されることがやっと決まりました。
そこで質問がありました。

質問

会社法の施行に伴う決算処理関係の手続きについて
会社法は5月1日から施行されるのであるが、3月決算の会社、4月決算の会社について
は株主総会が5月以降となり、この場合の取扱いの根拠条文は何か?

回答

法律として会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律というものが会社法と
同時に成立している。一般に整備法と呼ぶ。

整備法第99条【計算に関する経過規程】
「施行日前に到来した最終の決算期(省略)
に関わる旧商法281条第1項各号(貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益処分
案)に掲げるもの及びこれらの附属明細書の作成、監査及び承認の方法については、
なお従前の例による」
 という規程がありますので3月決算、4月決算については株主総会に提出するものは
利益処分案になります。
 
 
 また、法務省令第12項会社法施行規則の付則第4条の第2項、第3項に株主総会
招集通知についての注意事項が書かれていますのでそれも注意してください。

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January 25, 2006

『会社はなぜ帳簿を作るのか?決算をするのか?』

 今、全国の会計士と一緒に会社法の解説の本を出版しようと原稿を手分けして書いています。会社法の規程を改めて読みますと、第5章株式会社 計算等という部があり、株式会社の会計は一般に基本会計に従うものとする、株式会社は・・・適宜に会計帳簿を作成しなければならない、株式会社は各事業年度に関わる計算書類(貸借対照表、損益計算書、その他株式会社の財産及び損益状況を示すために必要且つ適切なもの・・・)、及び事業報告書並びにこれらの付属明細書を作成しなければならないとされています。
 旧商法にも同じ規程があります。
 そして、税法には それらの決算書を、法人税の申告書に添付して提出しなければならないとされています。

 こういう法律で規制されているから決算書を作るのかといえば違います。経営者の方は意識しないかもしれませんが、ただなんとなく帳簿を作り決算書を作っているはずです。
 
 なぜなのでしょうか。税務署申告に必要であるということは間違いありません。会社を作って規模が小さい段階では、税務申告のために作るという目的が大きいでしょう。更に、銀行等の借入れに必要なため作っていくということもあるでしょう。そのために経理担当者を採用したり、会計事務所に頼んだりする。そのあたりが多くの中小企業の経理のスタートラインでしょう。

 ところが、日々の売上の帳簿、売掛金の帳簿、買掛金の帳簿、お金の出し入れの帳簿、これらは必ず作っているはずです。なぜなら会社の財産を守るために作っているはずです。

 そして、いやしくも厳しい経営環境の中で自らの財政状態、財産を守り、財政状態を把握し、実際にどの程度儲かっているのかを掴んでいくために、即ち経営のために作るという形に変わっていくはずです。

 経理というのは、経営者の必要に応じて作っていくというのが正しいと思います。経営者の役に立たない経理をいくらやっても意味がないと思います。


 こういう風になぜ思うかというと、実はある会計事務所のグループが特定の会計ソフトを用いるようにお客様に勧める運動をやっているのですが、そのこと自体が良い悪いというわけではありません。しかし、その専ら勧める内容が特定の会計ソフトを使うということに重点が置かれ、その結果、経営者は万が一すぐ経理がわかるのだというメリットの方に惹かれて会計ソフトを入れている。しかしながら、会計ソフトを入れれば経理が正確に出るのではなく、正確に出るためにはそれなりの仕組み、どのようにして毎日のデータを集め、どのようにしてそれを入力し(当然入力する作業を軽減する仕組みが必要になります)、且つどのようにその出てきた資料が正しいのかを検証していくという手続きがない限りはその出てきた資料がいかに早くなんらかの決算書と思われるものが月々早く出てこようとも役に立ちません。

 最近何件か私どものお客様になられた会社にそのようなソフトを使用されていた方がありました。その種のソフトは大変堅い、逆に言えば不正を許さない形になっています。それはいいのですが、肝心の勧める方がきちんとこのように使うんですよ、このようにすれば早くデータが集まるのだという、いわゆるソフトでもないハードでもないノウハウという部分の指導がないために経営者の方が大変不信感を持っていました。逆に言えば、不信感を持ったから会計事務所を替えて私どものお客様になって下さったわけです。あまりにもその評判が悪いので、私どももそのようなグループの一員に入っているということが恥ずかしくて言えないような状況でした。

 話が横に逸れましたが、本気になって経営者に求められる経理、経営者の会社が潰れないように見守っていき、そして更にもっと儲かるように応援していくための道具としての経理の指導に努めていきたいものだと思います。

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July 26, 2005

日本生命の決算書 わからない****

生命保険会社の決算書は今インターネットから見ることができるのですね。
 
 平成17年3月期の日本生命の決算書を見てみました。私は、20年以上前から日本生命の保険に入っています。理由は日本生命だったら潰れないだろうということを20年程前から思っているからです。最近は生命保険料の高さに音を上げて安い共済保険にも追加で入っています。

決算書を見て思ったこと。

 総資産が46兆円。株式は時価評価されています。自己資本比率は7%でした。生命保険会社というと保険者から集まったお金を運用して生命保険として払うというイメージが強いのですが、最近は運用利回りが低いと言われています。有価証券は全部で29兆円程持っていて、それによる有価証券利息(国債)配当金(株式)が6200億円ですので、いわゆる利回りとしては2.1%ということなのでしょう。貸付金が10兆円あって2%、不動産収入が1兆円あって8%の利回りでまわっているようです。1兆円というと大きいですが、駅前のほとんどのめぼしいビルは生命保険会社等が持っています(福岡市の場合)ので、それから比べると日本生命で1兆円程度しか投資用不動産を持っていないのかなと予想外に不動産にあてている金額が少ないなという感じです。
 損益計算書を見ていたら保険料収入が4兆8000億円などで全体では6兆3000億円の売上。
 日本生命というと大きいというイメージでしたがこうやってみると売上規模でいくとトヨタや日産には及ばないのですね。
 費用の中でおもしろいなと思ったのが保険金として払っているのが4兆6000万円なのですが、そのうち保険や年金等で払っているのが約2兆3000億円、いわゆる生命保険解約によって払っているのが1兆2000億円ですから予想外に解約が多いなという感じがしました。通常の個人の方は生命保険を中途解約するということは義理で入った保険でしかないと思いますが(常識が変わっているのかもしれない)。
 最近は、企業向けの保険は途中で解約することを予定したいわゆる節税(税金繰延保険)になっていますのでどちらがどのように影響しているのかはわかりません。ちなみに会計士として言いますと、このような解約を目的とした保険というのは現在の税法上の隙間をついた話ではないかなと思っています。
 
 もうひとつ面白い数字としては事業費というものがあり、5500億円あります。これは、保険料収入4兆8000億円の11%にあたるのですが、これがいわゆるテレビコマーシャルや生命保険の方々の人件費や経費にあたっているのですね。毎年払っている保険料の11%はそれを管理する経費として消えているのか・・・。

 生命保険会社の会計のルールや相互会社の利益の意味がわかりませんので決算書を見ても何もわかりませんでした。ふつうの会社の人も会社の決算書を見てもそれを作る元となっている会計のルールがわからないから会計事務所が何を言っているのかよくわかっていないのだろうなとただ苦笑したところです。いったいこの生保会社はよい方向に進んでいるのかどうか。私の満期保険金は帰ってくるのか。今後配当金はつきそうなのか?

 わからん。ただ、規模がわかったのでちょっとおもしろいなと思った次第です。

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July 07, 2005

中小企業会計の厳格化?幻覚か?

7月2日に商法改正(会社法)が国会を通過すると言ったばかりですが、6月29日に参議院を通過しました。
今までの会社法を理解していないと今回の新会社法は理解できない話になると思います。
今回の会社法の一番の特色は、各会社が色々な制度を自由に選べるというように変わったことです。具体的にお客様の会社がどのような形の組織形態をとればよいかについては後日まとめて小冊子を作成し配布させていただきたいと思っています。
それとはまた別に新しい動きとしては、今度の会社法の改正をきっかけに会計参与というものが導入されました。これは今までの日本企業にとって初めての試みです。つまり、第三者(公認会計士、税理士、監査法人、税理士法人)に委託して会社の決算書を会社と共同して作ってもらう、且つ、その決算書を公表する。こういう役割の形とは、取締役、監査役と同様の地位として会計参与という地位を会社法の中で与えられます。会計参与は取締役と同じように第三者の株主代表訴訟の対象になります。これは今までの歴史の中で初めての画期的なことです。 つまり、今まで第三者が会社の決算書が正しいということを証明していたのは、上場する会社が監査法人に依頼して会社の決算書の監査を受けていました。これは、上場するという大きなメリットを与えられる代わりにその財務内容等(監査法人の監査を受けて正確性を保証してもらう)を公表するという制度でした。会社は、監査法人にお金を払って会社の財務内容を証明してもらい公表するという制度でした。そこには上場というメリットがあったのです。
 ところが、会計参与制度は、会社がその会計参与の制度を利用してもしなくてもよい。しかし、会計参与制度を利用すれば当然ながら会計事務所等は株主代表訴訟の対象になるわけですから慎重に決算書を作るでしょう。つまり、会計監査を受けるのと同じ効果がもたらされるし、且つ、それにより損害を被った方々は株主による取締役代表制度と同じように会計参与を訴えることができるという制度です。
 つまり、会社が自ら会計参与に対してお金を払い、上場していない会社の決算書の数字の正確性を証明してもらうという非常に画期的な制度です。ただし、その会計参与の制度は商法学者の間からは冷たく鼻であしらわれているというのが実情です。おそらくそのようなことをするところはないであろう。メリットがないからということですが。やましいことがない会社ならばただ決算書を公表すればよい。わざわざ会計参与にお金を払ってまでどんなメリットがあるのだという考えです。実際はどうなるのかそれはわかりません。
 いずれにしてもそのような中小企業の会計について今までのところ税法以外に規定らしい規定がなかったために中小企業の決算は極めて不正確と言われていました。今回、この会計参与の導入を受けて、日本で統一した中小企業会計の基準が決まりました。その基準は、手続き的には若干緩められているとはいえ(正確性の程度においては簡略な手続きを用いるということになっています)、次のような上場会社に用いられているルールと基本的には全く同じルールが用いられることになっています。即ち、銀行等で問題になった国に税金を先払いしているという繰り延べ税金資産(税効果会計)、退職金の不足額を示す退職給付引当金、並びに上場有価証券等についての時価会計の導入、そして上場会社でも来年度から正式に導入される減損会計、これらを全て中小企業会計として用いることになります。
 従って、会計参与がついている決算書はこれらのルールに従った貸借対照表、損益計算書を作成しないとそれはそのまま株主等を騙したことになりますので株主代表訴訟の対象となるというわけです。これらのことはますます会計についての制度が厳密化されてきますし、また、そのようなルールに従っていない会計参与を置く会社というものが果たして存在するのかどうか疑問だと私は思っています。

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