May 11, 2006

監査の厳格化 公益法人

③ 新設の公益法人も会計監査人が導入
公益法人たる財団法人や社団法人の新設は、現在のところ監督官庁の認可がなかなか得られず難しいというのが実際のところです。しかし、現在の通常国会で公益法人制度の抜本改革が審議されています。
現在の予定では、抜本改革が実行されますと、財団法人・社団法人の設立は準拠主義と言い、一定の条件を満たしていれば基本的には承認されます。従って、社団法人・財団法人は作りやすくなる予定です。
しかし、新設する場合には一定規模以上の財団社団法人には会計監査人の設置を義務付けるとされています。一般に社団法人・財団法人は公益性優先で事業規模が小さいために、はたして会計監査人(公認会計士)の報酬を払えるものなのであろうか、これは実質的には財団法人や社団法人の数を増やさせないための手段なのではないだろうかという意見もあります。
なお、既存の財団法人・社団法人にも会計監査(公認会計士監査)を受けるように国は指導しています。もちろん報酬を払えるような大規模な財団・社団だけですが・・・。

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May 10, 2006

監査の厳格化 会計参与 2

 会計参与は、機能するという意見をある方から聞きました。
 それは、公共事業を行う建設・土木の会社だそうです。いわゆる談合問題で指名問題制度というのが談合の基本的な温床になっている。従って、国は今後指名入札制度をやめる。ということは、建設・土木の会社はどんな企業でも入札に応じることができるようになります。ただし、工事能力がない会社が入札してもらっては困るので、実際に入札で落札した場合にそれだけの工事を実行できるという保証を金融機関にさせる、これを履行ボンド制度といいます。この履行ボンド制度は何回も導入されてきましたがなかなか実質的に機能してきませんでした。今度は国が音頭をとってどうしても実行する。まず、国の仕事について履行ボンド制度を早速導入し、その後県の工事、その後市町村の工事に履行ボンド制度を広げていく計画だそうです。
 一方、履行ボンド制度をとっている米国の例で見ると、建設工事会社の決算書(米国の決算書は公認会計士の監査証明書を付けるのが常識です)をもとに、その自己資本金の一定倍率を保証するのが多い。従って、そのような履行ボンドを引き受ける損害保険会社等は当然ながら決算書が正確であることを保証する形、会計士の監査や会計参与などを要求してくるのが必至であろう。そのような枠組みでは単に資金借入が有利になるという話でなく、公共事業の仕事そのものがとれる、とれないの話になりますので、相当のコストを覚悟して会計参与なり会計士の監査を求めてくるという予測です。今のところは、再保険の関係で金融機関も興味はあるが、消極的な態度とのことです。
 ところが、更に話があって、実際には国は建設・土木の会社を保護することを諦め、建設・土木の会社の削減に力を入れていくという政策に切り替えています。当然ながら監査や会計参与になる公認会計士・税理士は、むやみにそのような仕事を引き受けるわけではありません。恐らく、税務顧問をやっており、内部の事情に相当通じている会社のみ引き受けることになるでしょう。そうなれば、財政状態が悪い会社はその財政状態を一番良く知っているはずの会計士・税理士から見放されていわゆる公共事業から閉め出されていくという流れが考えられます。
国は頭がいい。即ち、直接自ら手を下すのではなく、履行ボンド制度というものを導入させることにより、会計士・税理士に建設・土木の会社の退場を迫らせるというストーリーだとのことであります。
 業績が良さそうに見えても実際には大変な大赤字だったという木村建設の例もありますから。少なくとも顧問の税理士の先生は知っていたと思われますよね。この先生は、はたして会計参与を頼まれたら引き受けていたでしょうか。

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May 09, 2006

監査の厳格化 会計参与 1

会計参与とは、5月から施行される会社法で導入された制度のひとつです。
会社が決算書を作るのですが、そのときに会計士・税理士を会計参与という名称の役職に任命し、決算書を会社と共同で作らせることができます。会計参与は、任意の制度です。強制的な制度ではありません。
会計参与が関与した決算が間違っていた場合には、その決算を信じた人は会社や会社の取締役に損害賠償が請求できることはもちろん、共同で作ったとされる会計参与に対しても損害賠償が請求できる。従って、会計参与がいる会社の決算書は、会計参与がいない会社の決算書よりも信用できるというメリットがありますよという話です。
ところで、この制度は会計士会と税理士会が共同で提案したとのことです。会計士会・税理士会のねらいはわかりますよね。今まで新しい職場として取締役と並べるような立場での会計参与という役職を会社に作りましょう。そうすれば会計参与に就任できるのは会計士や税理士に限られていますからその分報酬がもらえる。会計士や税理士にとっては新しい収益源になりますという話です。税務署もOBを斡旋しやすくなります。
また、未上場会社の決算書は信用できないというのが金融機関の一般的な常識ですが、金融機関は会計参与がいる会社の粉飾された決算書であれば会計参与に損害賠償を請求できますので(取締役にも損害賠償を請求できますが、取締役は会社の経営者そのものですから会社が破綻したときには取締役も破綻しているケースが大部分である)信頼性が高いということになります。
結果として、会計参与になることは相当な責任を負いますので当然ながら相当な仕事をし、それなりの報酬をもらわなければ会計参与になることはないだろう、従って会計参与になる資格を有している会計士や税理士の団体である会計士協会や税理士会がそのように望むならそのように会社法を改めましょう、ただし、実際に会計参与をわざわざお金を払ってまでお願いするかどうかはわかりませんからね、という冷ややかな態度で会計参与の導入が決まったと言われています。
私は、会計参与などは金融機関にとっては嬉しいでしょうが、実際に引き受ける側からすれば、業績の良い会社であれば会計参与は安心して引き受けられる、しかし、業績の良い会社は会計参与に払う報酬の分だけ実質的には金利が上がることになる。そのような業績の良い会社に対して今どき貸出し競争をしているような金融機関は果たして会計参与を付けてくれと言うのだろうかと疑問を抱いています。
また、逆に業績の悪い会社については金融機関としては融資を少しは安心してできるように(本当は貸さないかもしれないが)ぜひ会計参与をつけてくれるように会社に要求する。しかし今度は粉飾決算の恐れがあるような業績の芳しくない会社であれば金融機関は会計参与を望むでしょうが、引き受ける会計参与の側になる会計士・税理士の側では引き受けないか、もしくは相当の報酬をもらって引き受け、且つ厳格な調査を行う、つまり赤字決算、大幅な債務超過の正しい決算書を作る。従って、会社と会計参与の利害が真正面から対立するという流れになろうかと思います。
そうなれば実際上は会計参与というものは機能しないのではないのだろうかというのが私の意見でした。

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May 08, 2006

監査の厳格化 上場会社

監査の厳格化

今、日本の国は全般的に監査を厳しくしようという流れがあります。監査の主役になるのは公認会計士や監査法人ですが、私も公認会計士の一員としてその責任が重くなっていることをひしひしと感じています。

① 上場会社の監査
監査法人が上場会社の監査をしていますが、カネボウ事件等の反省を受け、監査の厳格化が叫ばれています。また、会社法の制定により会社の内部統制の評価という業務が監査法人の業務(従来は財務諸表の監査に限られていた)になるとの考え方のため、内部統制についても厳しく調査していくという流れになっています。
ただし、会社法が考えている内部統制は適法性、業務品質という分野での内部統制という世界であり、適正な財務諸表作成のための内部統制とは重なっている部分もあり、ずれている部分もあると思います(話が専門家の独りよがりになりすみません)。
先日、大手監査法人の方とお話したときの話では、この内部統制の調査そのものは法律的には来年度の話であるが、その準備としてもう仕事を始めており、相当時間数をとられているというような話でした。
私どもにも税務顧問をさせていただいている上場企業や上場準備中の会社がいくつかありますが、監査法人からの要求がひしひしと厳しくなってきていると感じています。以前はそんな厳しいことを言わなかったのに・・・と会社の方がグチをこぼされますが、これは監査の厳格化の流れからいって仕方のないことだと思います。
適正な開示、情報公開ということなのですが、段々会計のルールを厳格化していき、グローバルスタンダードと呼ばれているものにしていきますと会計士自身が自分で金額を決められない問題が出てきます。例えば、減損会計といいますが、収益を生んでいない不動産の時価はどうやって評価するのかという話です。新株予約権の時価も同じような話です。
あまりにもルールを厳格化していけばいくほどに会計士自身がその時価が正しいかということをどうやって検証していけばよいのかという問題につきあたっていきます。
しかし、私が上場会社の監査をしているときは少なくとも日曜日は休みでしたが、今は連休も働くというのが常識だそうですから監査法人はハードワークな厳しい時代になってきているのでしょうね。

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January 09, 2006

領収書を軽く考えるな

 12月は、税務調査に立ち会う回数が結構ありました。

 昨年は税務調査の当たり年らしく、そこそこ件数がありました。
 12月にひとつの目途をつけたいというのは税金を払う側の気持ちであり、また税務当局もそれがわかっていますので今年とりかかった税務調査についてはできるだけ結論を出そうということで結果の打ち合わせが行われました。
 指摘をうけてこちらが納得できる点もあり、そうでない点もあります。税法上物事をどう見るかという世界もありますし、もっと難しい点は事実をどう認識するのか。例えば、ここに15万円の領収書を出したという控えがある。これに対して、こちらの伝票上は10万円でしか売っていない。領収書を変えてくれと言われたから、つい現場が金額を変えてしまった。この場合、どういう風に扱われるのかなかなか難しい問題です。
いずれにせよ、いい結果に終りその調査についてはほっとしています。

 悪い言い方をすれば 実際金額以上の領収書を発行するという行為 とくにそれをもらった人が会社で経費をごまかすというような不正をするという予測が成り立ちますので 厳しくいえば不正の補助という話までも成り立ちます。領収書の過大発行は現に慎むべきです。

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December 26, 2005

会計事務所の存在意義

最近、存在意義とは何かということが問われています。事務所、あるい
は会社の存在意義とは何なのか。存在している意味、事務所が存在してい
ることに多々の関係で持つ価値、重要さという意味なのでしょう。
何故かと言えば、今は環境の変化が激しい時代です。そのような中で会
計事務所なら会計事務所がどのような存在意義、価値を持っていくのかと
いうことについて考え、そしてその環境の変化において、より価値のある
役割を果たしていくという意味で存在意義を見つめ直すということが言
われています。

私は、会計事務所の存在意義(私の会計事務所の存在意義)は、お客様
の身近な相談相手であるということだと思っています。環境の激しい時代
に当然お客様も相談相手を必要としていらっしゃいます。会計事務所が身
近な相談相手として基本的に持っている能力としては会計の分野、税務の
分野、財務の分野があります。
会計と言えば、中小企業会計基準・病院会計基準・社会福祉会計基準な
ど、今会計についてのルールの整備が急速に行われています。これもアカ
ウンタビリティを中心とする世の中の経済が変わってきていることの表
れでしょう。
また、税務については、毎年のように大幅な税法改正が行われています
し、また今後も行われ続ける予定です。
そのような中でお客様のニーズ、きちんと申告するが無駄な税金を払い
たくないというニーズ、相続あるいはM&Aなどの際にどのような形で対
応したら最も節税になるのかというニーズ、更には財務、銀行借入などに
おいて、いかなる資金調達が最も望ましいのか等について的確に答える能
力・経験を有していくということが必要だと思います。
2番目に、コミュニケーション能力が必要であると思います。つまり、
お客様が持っているニーズを引き出したり、或いはお客様が持っている
ニーズだけれどもお客様が直接語らない、気が付いていないニーズに対し
て能力・経験を生かして対応していくためにはお客様のニーズを引き出す
能力も必要ですし、私どもがアドバイスする内容をきちんと伝えていく能
力も必要になってくると思います。いわゆるコミュニケーション能力とい
うものが大切であろうと思います。
そして、3番目に必要なものはリーダーシップであろうと思います。何
故ならば、世の中の環境の変化が激しく、また情報が過多な時代なのでは
ないのでしょうか。そのような中で色々な心配をされていらっしゃるお客
様にどのように対応していくのか、きちんと対応していかないと誤った対
応になります。そのことが重要なことだと考えています。

我が事務所の存在意義は、環境の激しい時代の身近なお客様の相談相手
であるということです。具体的な能力・分野としては、会計・財務・税務
の分野があり、そしてその能力を発揮するためにはコミュニケーション能
力とリーダーシップ性が必要であるということにまとめられるのでしょ
うか。

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December 21, 2005

由布院合宿

12月1日、2日と事務所のほぼ全員で由布院に合宿に行きました。
目的は、日常の業務から離れて来年のことを考えるためです。特に、今は世の中の動きが早く、大きく変わりつつあります。去年と同じレベルであれば確実に笑われ、会計事務所の価値は下がります。いかに価値を保ち、価値を上げていくか。それには事務所を構成しているメンバー全員の価値を上げていくしかありません。
ピーター・ドラッカーは、21世紀に重要視される唯一のスキルは新しいスキルを学ぶスキルである。それ以外は全て時間とともに廃れていく。
また、ある経営関係のコンサルタントはこういっています。今なにか特技があるとして、一年後も同じポジションを確保するためにはもっともっと腕を磨いておかなければならない。
即ち、私はこう思います。知識労働者であるためには、仕事の価値を決めるのは所要時間の長さではなく、実際に出た結果である。そのためには、最も価値のあるものに焦点をあわせ続け、自らの価値を高めていかなければならないと思います。自分の価値とは、仕事の能力・経験に留まらず、健康であることや良い人間関係を持っていることも含まれます。そして、そういう成果をもたらすためには種まきと刈り入れの法則ではありませんが、まず自ら種を撒いていかなければなりません。それがどんなに大変なことであっても種を撒かずに収穫は得られません。明るくポジティブな人間としてやっていきたい。そのためには来年何をすればいいのかということを集中して考えたかったためです。
現場(事務所)から離れて集中して考えるということは初めてのケースではありましたが、良い結果が出たと思います。

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